陸軍砲兵科中尉勤務服
砲兵中尉の詰め襟勤務服。
襟章と肩章を縁取る赤のパイピングが
砲兵科所属であることを示している。
詰め襟の将校勤務服は五つ釦か六つ釦が
基本であるが、このような八つ釦の制服も
存在した。これは旧ライヒスヘーア時代の
制服を模したものであった。


ただし図の制服は、仕立て・生地から
おそらく礼服を仕立て直したものであろう。


礼服にはポケットが存在しないが、同じ生地を
用いて貼り付けポケットを取り付けてあるのが大変
興味深い。ちなみに下ポケットはダミーである。
袖も礼服のものから標準の勤務服に見られる同生地の
袖に仕立て直されている。


おそらく大戦後期あたりの物資不足の折、
金のない将校が使われなくなった礼服を
(開戦後礼服は規定で着用を禁止されている)
改造したものと想像される。


背面部。


礼服の場合腰から下のラインにパインピングが
施されるが、それも除去されている。
側面。

外出スタイルを想定して短剣を吊ってみた。
肩章と襟章。

光沢のある銀モール刺繍の手縫い。

 


 

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